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 玄侑さん「適任だった」


 政府の復興構想会議委員を務める三春町在住の芥川賞作家、玄侑宗久福聚寺住職は松本氏の辞任を「本当に残念の一言」と受け止めた。十二回日開かれた復興構想会議では欠席する閣僚もいる中、松本氏は防災担当相としてほぼ全て出席していたという。「岩手、宮城両県知事とのやりとりでは突っ込みすぎたが、それも詳しく事情を知ればこそ。困難が予想される復興担当相には最適任者だった」とあまりにも早い辞任を惜しんだ。
 福島民報  2011年7月6日
 ※松本担当相辞任についての見解 
 
 
 政府の復興構想会議の提言には、三春町在住の委員玄侑宗久氏(芥川賞作家、福聚寺住職)の医療・研究特区の考え方が盛り込まれた。考えを聞いた。

―医療・研究特区の考え方は。
「県民が『福島にいて良かった』と思える施策が必要だ。県内には医療機器の生産拠点や大規模な医療、研究機関が集まっている。がんや白血病の長期的調査・治療に加え、成人病全般について『福島に行けば安心』と言われる県にしたい」

―あらためて復興の基本的な在り方を。
「福島、宮城、岩手各県が称賛されたのは、市場経済主義を選択しない生き方があったからだ。人間関係の密度の濃さが忍耐力を生んだ。この特性を生かした復旧・復興を進めるべきだ」

―提言内容を実現するには何が必要か。
「国の政策と、県が作る復興計画をどう関連付け実行するか、が大事だ。原発事故を抱える本県の復興は宮城、岩手両県に比べて遅れている」

―審議では、福祉・リゾート特区の実現も訴えてきた。
「豊富な温泉資源と高水準の医療機関に加え、気功やマッサージ、はり治療などを含む滞在型の医療地域づくりを想定した。宿泊・観光業の危機も救う。国、県で検討対象にしてほしい」

―今後の抱負を。
「日本が震災と原発事故をどう処理するかを各国が注目している。十年単位の仕事になるかもしれないが、福島県の代表として問題提起していく」

福島民報  2011年6月26日
 

 
 

 野口英世博士の母シカが英世に宛てた手紙にちなみ福島県猪苗代町絆づくり実行委員会が主催した「第九回母から子への手紙」コンテストの表彰式は五日、猪苗代町体験交流館で行われた。
 受賞者とその家族、来賓ら合わせて約九十人が出席した。実行委員会の八子弥寿男委員長があいさつし、大賞に輝いた勝又千寿さん(静岡県)準大賞の加藤まゆみさん(同)のほか、優秀賞に選ばれた緑川美紀さん(大玉村)宮川美智恵さん(郡山市)ら二十人に賞状を贈った。
 選考委員長を務めた芥川賞作家の玄侑宗久さん(三春町、福聚寺住職)は「いずれの作品にも『わが子を信じて見守る』という母のスタンスが表現されていて心を打たれた」などと入賞者をたたえた。最後に大賞の勝又さんが自身の作品を朗読した。
 今年のコンテストには鳥取県を除く四十六都道府県から“母と子の絆”を思い思いに表現した作品千二百四十が寄せられ、大賞から佳作まで計四十九編が入賞した。


 福島民報 2010年12月6日
 

   
  
 福島県三春町の芥川賞作家玄侑宗久さん(福聚寺住職)の同名小説を原作とする映画「アブラクサスの祭」のロケ地を巡る「2010三春ウオーク」は七日、三春町運動公園をスタート、三春交流館まほらをゴールとする約十キロのコースで開かれた。県内外から約六百人が参加し、映画の名場面や城下町の風情を満喫しながら心地よい汗を流した。

 原作者 玄侑さん由来解説

 三春町、福島民報社の主催。開会式では鈴木義孝町長が「映画のロケ地となった町内商店街や三春の自然をゆっくりと楽しんでください」、渡部世一福島民報社社長が「モミジに彩られた城下町三春の秋を満喫してください」とあいさつした。本多一安町議会議長が祝辞を述べた。
 鈴木町長、渡部社長、県ウオーキング協会の大和田行一副会長、映画「アブラクサスの祭」の制作を支援する会長の幕田勝寿町観光協会長らがテープカットし、号砲とともに参加者が一斉にスタートした。
 子役で映画に出演した山口拓君(岡山小一年)も参加した。
 参加者は町内商店街や田村高、福聚寺、町文化伝承館などを巡った。福聚寺では玄侑さんが同寺の歴史、アブラクサスの由来などを説明した。休憩所では、三春伝統の油揚げを使った「さくらいなり」や「三春汁」が振る舞われた。
 快晴の下、絶好のウオーキング日和となり、参加者はモミジなど色づく木々を眺めながら思い思いに散策を楽しんでいた。

 福島民報 2010年11月8日
 
 
  福島県猪苗代町(きずな)づくり実行委員会が主催する「第九回母から子への手紙」コンテスト入賞作品発表会は四日、猪苗代町体験交流館で開かれた。
 鳥取県を除く四十六都道府県から千二百四十編が寄せられた。昨年より百三十五編多い。大賞には静岡県の勝又千寿さん(三九)、準大賞に同じく静岡県の加藤まゆみさん(五二)が選ばれた。県内からは優秀賞に大玉村の緑川美紀さん(四一)と郡山市の宮川美智恵さん(三六)が入り、佳作も五人が受賞した。
 応募作品の中から一次選考を通った五六編を対象に、芥川賞作家で福聚寺住職の玄侑宗久さん(三春)とエッセイスト大石邦子さん(会津美里)、元NHKアナウンサー末利光さん、一次選考委員代表の小林光子さん(猪苗代)が三、四の両日、最終選考を行い、大賞から佳作まで計四十九点を選んだ。
 勝又さんは「初めて応募した作品が大賞に選ばれて大変うれしい。もともと文章を書くのが好きで、形に残るものを息子に
――と思い手紙を書いた」と喜びを語った。
 玄侑さんも「足が不自由で十分に子どもと接することができない悲しみを越え、わが子を信じ見守る自分なりのスタンスを悟った姿に感銘した。文章も非常に練られていた」などと講評した。
 表彰式は十二月五日に町体験交流館で行う。


 福島民報 2010年11月5日
 
 

 芥川賞作家で本紙の日曜論壇を執筆している福島県三春町の福聚寺住職、玄侑宗久さんと会津美里町在住のエッセイストで元県文学賞審査委員の大石邦子さんを迎えた「ふれあい講演会」は十四日、会津若松市の會津風雅堂で開かれた。
 会津坂下町の菓子製造販売「太郎庵」が創業六十周年を記念して企画した。ラジオ福島の後援。太郎庵の目黒督朗社長のあいさつに続き、「むすんでひらいて」と題し玄侑さん、大石さんが対談した。ラジオ福島の大和田新アナウンサーが司会した。
 玄侑さんは演題となった童謡「むすんでひらいて」の歌詞について「『結ぶ』のは神。『開く』のは結んだものをほどくことで仏を意味するのでは」との解釈を示し「手を結んで新たに何かをつかむには、いったん開くことが必要」と気持ちを切り替える大切さを説いた。
 大石さんは体が不自由になった自らの体験を踏まえながら「もう人生が終わったと嘆いていた時、母から掛けられた『終わりということは新たに始めることができる』という言葉が忘れられない。死を意識した時にこそ生きる意味を真剣に探すようになった」と語り、人生を振り返った。
 会場には約千人が詰め掛け、二人の話に聞き入っていた。


 福島民報 2010年5月16日
 
芥川賞作家玄侑さん講演 富岡で福島フロンティア創立十五周年


福島フロンティアフォーラム(会長・茂木徹一千葉工大教授)の創立十五周年記念講演は九日、福島県富岡町のリフレ富岡で行われ、三春町の芥川賞作家、玄侑宗久さんが「『両行』が支える国」をテーマに話した。
 玄侑さんは「善は急げ」と「急がばまわれ」のように、「両行」を持つことが日本人の大きな特徴である、と説明。合理的な思考やシステムが幅をきかす日本社会に、「両行を復活させて、『善は急げ』一辺倒ではなく、両方正しい(という日本人らしい)ことを取り戻せたらと切に思う」と語った。
 同フォーラムは県内の経営者や上場企業幹部らでつくる異業種交流会。

 福島民報 2010年4月10日
 
 

 玄侑さんの講演会「天籟を聴く」には約二百人が参加した。玄侑さんは今年のあだたら万遊博のテーマである「音」を題材に、五感の中で重要な感覚の役割などを語った。
 「天籟」とは多くの人々が自分の持ち前を発揮し、それがハーモニーになっていりうことであると解釈し「生きる中で、自分が本当に持ち前を発揮できるかどうかが大切」などと述べた。

 福島民報 2010年3月2日
 




 三百年の伝統を誇る福島県三春町の「三春だるま市」は十七日、町中心部の大町おまつり道路で催され、「福」を求める家族連れらでにぎわった。
 町明るい祭礼推進委員会、町観光協会の主催。三春だるまは「高柴だるま」とも呼ばれ、厄をはらうために見開いた両目と、頭の上が平らなのが特徴。出店や縁日屋台が約七十軒並んだ。大勢の客が、家内安全や商売繁盛を願ってだるまや縁起物を買い求めていた。
 今年は新たに、同町福聚寺住職で芥川賞作家の玄侑宗久さんが新年の希望の一文字「発」を書き入れた特大だるまが登場した。新年こうあってほしいという一文字で「発心」「一念発起」などという意味を込めたという。次回から文字を公募する。
 オープニングセレモニーで鈴木義孝町長、幕田勝寿町観光協会長らが除幕した。


 福島民報 2010年1月18日
 

 
 
 三百年の伝統を誇り、十七日に福島県三春町で催される「三春だるま市」で、同町福聚寺住職で芥川賞作家の玄侑宗久さん(五三)が特大だるまに新年の「希望の一文字」を書き入れる新イベントが行われる。京都清水寺の今年一年を振り返る一文字とは対照的に、新年はこうあってほしいという願いを込めた一文字が披露される。


 イベントは、三春だるまを制作している郡山市西田町の高柴デコ屋敷の民芸品店主らが「暗い世相の中、希望を持てる新しいイベントを考えよう」と、発案。町観光協会などと協力し初めて企画した。
 一文字は同町名誉町民の玄侑さんに依頼した。玄侑さんは福聚寺に古くから伝わる雪村作の掛け軸に、「高柴だるま(三春だるま)」の原型と思われるだるまが描かれていることや、玄侑さんの宗派・禅宗では初心に帰る意味を込めて正月にだるまを飾る習慣があることから、快諾したという。
 町観光協会など主催者は一文字を決めるに当たり、今年一年をスタートするだるま市にふさわしい文字を依頼した。約一メートルの特大だるまはこのほど完成、玄侑さんは希望の一文字を既に書き入れた。十七日のオープニングセレモニーで披露する。一文字の入った小さいだるまも売り出される。
 主催者は、来年は一文字を広く県民から公募する計画を立てている。公募の中から玄侑さんが文字を決め、オープニングセレモニーで特大だるまに書き入れるという。
 三春だるまは、厄を払うために見開いた両目と、頭の上が平らな形が特徴。三春だるま市は、だるまのほか干支(えと)の寅(とら)の張子人形、福まさるなどの縁起物を売る出店や縁日屋台が約70軒並び、大勢の買い物客でにぎわう。
 
 福島民報 2010年1月1日 
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