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 新年の希望を込めた「希望の一文字」は「発」――。三春町の三春だるま市に合わせた2010(平成22)年の希望の一文字が発に決まり、発の字が書き込まれた特大だるま(高さ約1メートル)が17日、三春だるま市の会場でお披露目された。
 希望の一文字を考え、筆を執ったのは同町の福聚寺住職で芥川賞作家の玄侑宗久さん(53)。玄侑さんが寄せたメッセージによると、発には「はじまる」「はじめる」や「おこる」「おこす」の意味があり、一念発起や発心、発明、発見への願いを託した。昨年の世相を表した漢字一文字は「新」だったが、「新しいだけでは心もとない。自らの発心の意志を加えた」(玄侑さん)という。希望の一文字は、三春だるまの製造元で知られる高柴デコ屋敷(郡山市西田町)の発案を受け、三春だるま市を主催する町明るい祭礼推進委員会、町観光協会などが初めて企画した。
 オープニングセレモニーで、同委員会長の鈴木義孝町長、幕田勝寿同協会長らが、希望の一文字が書かれた特大だるまを除幕した。
 会場は、縁起物を求める多くの来場者で活気に包まれた。希望の一文字が書かれた大小のだるまも売り出され、人気を集めた。


 福島民友 2010年1月18日 総合3面
 


 
 
 2010(平成22)年の希望を託した”一文字”は――。三春町で1月17日に開かれる伝統の三春だるま市で、新年の「希望の一文字」を発表する初めての催しが行われる。希望の一文字を決めたのは、同町の福聚寺住職で芥川賞作家の玄侑宗久さん(53)。だるま市のオープニングセレモニーでは、玄侑さんが筆を執って腹部に希望の一文字を書き込んだ約1メートルの特大だるまがお披露目される。玄侑さんは「現代社会は数字や他人の評価ばかりに振り回されており、もっと主体的な生き方をしてほしい。一文字も主体的に歩きだすようなイメージで選んだ」と話している。
 

新年への希望を込めてだるまを手にする玄侑さん。三春だるま市では、「一文字」が特大だるまの腹に書かれお披露目される

 三春だるま市は300年以上の歴史を持つ伝統行事で、町まどで組織する明るい祭礼推進委員会が主催。希望の一文字は「暗い世相の中、新年への希望を感じてもらい、明るい話題を発信できれば」と町観光協会などと協力し初めて企画した。
 一文字を決めるに当たり町内在住者で唯一、名誉町民にも推挙された玄侑さんに依頼した。
 玄侑さん自身の宗派、禅宗の初祖が菩提達磨(ぼだいだるま)大師であることもあり、申し出を快諾したという。
 特大だるまは、三春だるまの制作元で知られる高柴デコ屋敷(郡山市西田町)が用意。玄侑さんは既に一文字を書き終えており、だるま市のオープニングセレモニーでは特大だるまを除幕、一文字を披露する。会場では、希望の一文字が書かれた大小各種のだるまも売り出される予定。
 一文字を何にするか、1ヵ月あまり考えたという玄侑さん。来年のえとの庚寅(かのえとら)にちなみ、「トラの歩みは着実さの象徴。償うべきものにざんげした上で、何かを受け継いでいく1年になってほしい」と期待を込める。
 
 福島民友 2009年12月31日 社会21面
 
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