『中陰の花』(文春文庫)の書評


北海道新聞 2005年3月13日号  「ほん」今週の新刊と文庫

「おがみや」のウメさんは、自ら予言した日に死んだ。「人は死んだらどうなんの?」と質問する妻圭子と、ウメさんの臨終に立ち会った寺の住職則道は、この世とあの世の中間(中陰)の世界を思いながら、夫婦の関係も見つめ直していく。

北海道新聞社許諾D0507S118T0507(―‘05.07.31)


週刊ポスト」4月15日号  POST BOOK WONDER LAND 時間を忘れる文庫ガイド

あの世とこの世をつなぐものは?

 人は死んだらどうなるのか? 自ら予言した日に亡くなった”おがみや”のウメさんの死を機に、死後の世界を考え始めた僧侶・則道。数年前から紙縒を作り続ける妻・圭子のある一言から、彼はあの世とこの世の間の世界を受け入れていく……。現役僧侶が生と死を独自の視点で描いた芥川賞受賞作。(天)