piyo_f_005_01.gif piyo_f_005_00.gif piyo_f_005_02.gif
piyo_f_005_00.gif
「問う」という行為を通して見えてくる仏教とは何か
同時代を共有する二人が大胆に提示するスリリングな対談。


往復書簡【「序に代えて」】より…………………
 今、対坐していた時間を憶いだしますと、それは殆ど遊戯(ゆげ)といってよいものでした。(中略)まさにあの時間そのものが「無常」や「縁起」を体現していたように思い返されます。玄侑宗久

 仮にもし、若き日の私が最初に出会ったのが今の貴師であったとすれば、自分がどのような僧侶になっただろうかと、しきりに思われてなりません。南 直哉

南 直哉玄侑宗久著
四六判 並製 320ページ
ISBN978-4-333-02314-1
定価1,890円(本体価格1,800円)
佼成出版社
2008年1月21日(水)

世俗化が著しい日本仏教にあって出家僧侶として生きる二人の、予定調和を排したストレート勝負の対談録。本質として矛盾を抱え持つ存在である私たち人間の「生きる意味」「他者認識」「慈悲」等々を根底から問い直す、読み応え充分の一冊。

虚心に向き合えば土地の力も自然加味される、それも縁起と云えるかもしれない

【目次】
序に代えて
拝啓 南直哉様玄侑宗久
拝復 玄侑宗久様南直哉 
第一章 <異界>
恐山菩提寺にて再会 死者の異様なリアリティ 死者というリアルな存在 <異界>としての恐山 自分のなかの<異界> <異界>を消そうとした親鸞聖人 <異界>を異常視した<近代> <異界>を仏教教義で解釈しない 「死者」が持つ<他者>性の濃密さ 絶対的<他者>としての死者 僧侶にとって「見える」は妄語
第二章 言語
修行者を支える「因果」論 仏教における言語―弘法大師・道元禅師・親鸞聖人 日本的言語感覚と仏教 禅―わからなさとしての<他者> 「閉じた言語」の問題点 欠落した<何か>を埋めるものとしての言語 自己相対化が欠如した仏教的言説の危険性 衝撃として現れる<異界>や<他者> <物語>と言語との距離 「鳥飛んで鳥の如し」 リアルなものはつねに<異化>が起こる 坐禅は自己を<初期化>する手段 「無常」「無我」を骨抜きにする言語の強さ 関係性から把握される存在者 母に身ごもられた「私」
第三章 出家
僧侶であることを疑うということ 仏教はヒューマニズムではない 自分のすべてを賭けて語る「方便」 「方便」は普遍化できない 原理と現実の狭間に見えるリアリティ 『老師と少年』をめぐって 日本仏教における<中心>と<周辺> 「苦しいから苦しい」という人に届く言葉 門のなかからは門が見えない アメリカの禅僧修行体験 日本的「和」を相対化する 「一生不離叢林」は可能か? 「坊さんならば豆腐を食え」 
第四章 慈悲
宮澤賢治の「第十八願」 慈悲とは「相手が感じるもの」 人間ができる慈悲行は<許す>こと 『法華経』を生きようとした賢治の苦悩 『法華経』の絶対普遍性 『法華経』が犠牲を払ってまで説いていること 「願生」は決断のこと 『法華経』が踏み出した一歩 『般若心経』は菩薩行を説く経典 答えがある「問題」と、答えのない「問い」 
第五章 <近代>
村落共同体を融解させた<近代> 『サザエさん』―不可逆的家族像 檀家制度の枠を超えて 科学と宗教―「もうじき宗教は要らなくなるよ」 「酒鬼薔薇」事件に投影される自己 <問題>を共有する人々との関わり方 「相手を死なせない」 自殺願望から救ってくれた仏教
第六章 
「この行持あらん身心、みづからも愛すべし」 師―生き延びさせてくれた人 同伴、伴走を経て独り立ちさせる 弟子を育てる「靴下の先の余裕」 師弟関係の型がつくる信頼 自分の<問い>を問い続けて 僧侶としての自己を客観視する 「壁」としての師 お寺の生まれか、出家かは問題ではない
第七章 正法
「正法」は「正しい教え」か? 「正法」とは、自問自答するもの 「正しさ」を解体する<笑い> 宿命としての日本仏教 <あわい>に投げ出されて始まる「問い」 若き仏教者たちへ 良寛さんの魅力と危うさ

・装丁  大竹左紀斗
・写真撮影  足利孝二
・編集協力  五十嵐以和男
※この対談は、二〇〇七年八月二十八日と二十九日の両日にわたって、青森県むつ市にある恐山菩提寺において行なわれました。

南 直哉(みなみ・じきさい)
禅僧。一九五八年長野県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、サラリーマン生活を経て、八四年曹洞宗で出家得度。同年、福井県の大本山永平寺へ入門。二〇〇三年まで約二〇年の修行生活をおくる。東京愛宕の青松寺を経て、〇五年から青森恐山の院代(山主代理)に。著書に『語る禅僧』(朝日新聞社)、『日常生活のなかの禅―修行のすすめ』(講談社選書メチエ)、『「問い」から始まる仏教―「私」を探る自己との対話』(佼成出版社)、共著に『やさしい「禅」入門』(新潮社とんぼの本)、『老師と少年』(新潮社)など。

piyo_f_005_00.gif
piyo_f_005_03.gif piyo_f_005_00.gif piyo_f_005_04.gif